彦一にちえ負けして、ひどい目にあってきたきつねは、「よし、こんどは、さむらいにばけ、彦一をへこましてやる。どんな彦一でも、さむらいにゃ頭があがらん。」と考えて、萩原の土手でまっていましたところ、あんのじゅう彦一がきました。 「やい小僧、おさむらいさまのおとおりだ。」 彦一、おどろいてこけてしまいました。ばってん、きつねだ知って、にやにやして、「おや、だれだろうかとおもたら、水泳の先生ではありませんか。こないだお城であったとき、石をせおって、およいでいらしたばってん、今、この下の川でおしえてください。」とこ ...