osamumabu

きつねの水およぎ

彦一にちえ負けして、ひどい目にあってきたきつねは、「よし、こんどは、さむらいにばけ、彦一をへこましてやる。どんな彦一でも、さむらいにゃ頭があがらん。」と考えて、萩原の土手でまっていましたところ、あんのじゅう彦一がきました。 「やい小僧、おさむらいさまのおとおりだ。」 彦一、おどろいてこけてしまいました。ばってん、きつねだ知って、にやにやして、「おや、だれだろうかとおもたら、水泳の先生ではありませんか。こないだお城であったとき、石をせおって、およいでいらしたばってん、今、この下の川でおしえてください。」とこ ...

彦一の水ぶろ

夏の暑か日、彦一は八人の百姓と頒主のとこへ年貢の米ば納めに行かしたげなたい。馬のせなかに米ば三俵ずつ積んで行かしたったい。水はなかもんだけん、のどは渇くし、暑かし、汗ばたらたら流して歩かしたったい。 途中、森には美しか水の湧きでる池のあるけん、早ようそん冷たか水ば飲まんばんと思って歩かしたったい。森に着いてみると、どうか池の水は減ってしまって、飲もうするばってん、どやんしても、とどかんとたい。皆な、なんとかするばってん飲めんもんな、水は目ん前にあるばってん飲めんけん、よけいのどは渇くとたい。そん時、彦一は ...

ベンデン柿

ベンデン柿 「もう、出て来そうなもんだが……。」と、彦一がフロシキヅツミばさげて、宇土の手前まで行ったら、ヒョイと「宇土のスグルワラ」という狐が出て来たげな。 「彦一さん、何だろうか、そのツツミは……。」 「こるかい、こらあね、八代の平山にだけしかなかベンデン柿てちいうめずらしゅううまか柿たい。あんまりめずらしかけん、熊本まで売りに行きよる。」 「そぎゃんうまかっなら、あたしにもちっと分けてはいよ。」 「そうよ買うならきゃあ売るばってん。」 「よかたい。」 二、三日したら宇土のスグルワラが八代まで泣いて来 ...

生きている絵

生きている絵 「ゴインキョさん、めずらしかもんが手に入りましたけん、見に来なりまっせんか。」 と、ブゲン者のゴインキョさんば連れて来た彦一が、掛軸ば見せた。女が傘持って立っとる絵だった。 「雨の降る日にゃこの傘ばさします。めずらしいものですばい。」 ゴインキョさんが雨の日に行ってみたら、ほんなこて傘ばさして、ちょっとスソばからげとる。 「おれに、ゆずってくれんかい。」 「どうし、どうし、こらぁうちの家宝にしますとです。」 と、彦一がもったいつけたけん、しこてこ金ばやって、ようようゴインキョさんは、自分のも ...

かねのなる木

かねのなる木 彦一が、京都の本願寺まいりばしたげなたい。そばの宿屋にとまったら、そこ主人が、むごう庭造りが好きで、自分の庭ば自慢して見せたげな。 「フム、なかなかよか庭でござすな。そるばってん惜しいこつにゃ、じゅうりカズラと、かねのなる木がござっせんな。これがあるとまあだウチ上りますばい。さいわい肥後八代の私のうちに持っとりますけん、あげまっしゅ。」 と言うたげなもんだけん、主人はよろこうで、ごちそうばうんとこしょしたげなたい。もどりに、彦一について八代まで来た主人は、彦一のうちの狭か庭に立って、キョロキ ...

地獄の彦一

地獄の彦一 彦一もとうとう死んだ。さんざん人も狐もだまかしたもんだけん、地獄行きはきまっとると思うち、いまわのきわにカカさんに、重箱二段にケランモチ、もう一段にはアンの代りにワサビば入れち作らせて、そるばさげて地獄へ行ったげなたい。「彦一、もう来るだろうと待っとったぞ。」と、エンマさんが言わした。「エンマさん、お世話になります。みやげば持って来ました。はようたべてくだはり。一段目はケランモチ、二段目はずっとうまかケランモチ、三段目はまあだうまかもんですが、こやつは、川の中で食わんと味が出まっせん。」エンマ ...

ドジョウ

彦一の負 彦一も奥さんにはまいっていました。あしたは熊本まで歩いて行くという前の晩、奥さんに内緒でニゴリ酒を買って、戸棚に入れときます。奥さんは、お金をかせがず、酒ばかり飲んでいる彦一が隠しているニゴリ酒を、あくる朝、米のトギ汁とすりかえておいたのです。 彦一は、顔も洗ないで、奥さんにわからいようにキュツとニゴリ酒を飲んで出かけた。もうこのへんではニゴリ酒のキキメが出るはず・・・・・・とクビをひねり、一向元気が出ません。そのうちに足が疲れてくるのです。熊本へほうほうの程でつきました。米のトギ汁ですので、馬 ...

八代城主の行列

「彦一」はなしは、ブログ管理者の出身八代市出町に住んでいたと伝わっています。近くの光徳寺に彦一塚がありました。 つまずいても、ころんでも、おされても達磨のように起き上がり強く生きてゆく、困っても力強い行動力をもっていたと伝わっています、語り伝えるはなしは、民衆のちえやユニークなものが多く、八代だけでなく日本人の根底にふつふつと流れているものと考えさせられます。 殿様の行列 いつも悪さを働く野上のベッピン狐に痛い目を見せてやろう、と考えていた彦一が、殿様の行列が明日あることを聞いて、狐に化かしくらべを申し出 ...

九酔渓の紅葉と絶景十三曲がりを楽しむ旅ガイド

大分県に位置する九酔渓は、四季折々の美しい風景で知られている人気の観光スポットです。特に秋になると、九重の紅葉が鮮やかに彩り、訪れる人々を魅了します。この記事では、2024年の秋に九酔渓で楽しめる紅葉観賞の魅力や見どころを徹底解説し、紅葉の最盛期やアクセス情報なども紹介していきます。 九酔渓には、名物の「十三曲がり」という美しい道があり、これが紅葉シーズンには特に素晴らしい光景を生み出します。川の流れとともに、色とりどりの紅葉が織りなす風景は、まさに自然が作り出すアートです。さらに、九酔渓周辺にはパワース ...

くじゅう花公園で満開の花を楽しむ方法と見どころガイド

大分県のくじゅう花公園は、四季折々の美しい花々が咲き誇る素晴らしいスポットです。特に、色とりどりの花が広がるシーンは、訪れる人々を魅了し、癒しの空間を提供しています。このブログでは、くじゅう花公園を最大限に楽しむための情報をたっぷりお届けします。まずは、見頃の花や現在の天気について詳しく見ていきましょう。ライブカメラを利用すれば、リアルタイムで公園の様子を確認できるので、行く前にチェックする価値がありますよ! そして、人気のイベント情報やチケットの購入方法も、これからお話しします。特に、お得な割引チケット ...

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